「どんなときに愛されていると感じるか」について、リストアップしてみると、自分自身の愛の形が見えてきます。
そして、そこに書かれなかったことにも、大きな意味があるようです。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.愛とは、何も執着せずにすべてを与えること
愛は安全を求めません。
愛はただ愛すること、すべてを与えることを求めるだけです。
あなたの愛をとめることは、何ものにもできません。
たとえ相手があなたを拒絶しても、あなたから逃げだしても、あなたが相手を愛することはだれにもとめられません。
愛は保証も保険も求めません。
愛は、ただひたすら愛することを望みます。
それゆえに愛は誕生であり、浄化の炎であり、存在することのすばらしさそのものなのです。
愛は生きることのヴィジョンと目的すべてでもあります。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.459
2.何に「愛」を感じますか?
今日のテーマは、「愛」そのものです。
理論的に語れるものでもないと思いますので、少しワークなども含めて書いてみたいと思います。
どんなときに、愛されているかと感じますか?
「あなたは、どんなときに、愛されていると感じますか?」
できれば、ゆっくりと考えていただきたい問いかけです。
答えがひとつ、ということもありません。
あなたが感じるままに、リストアップしてみてください。
- 「愛している」と言葉で伝えられたとき。
- スキンシップがあるとき。
- 自分が大変なときに、励ましてくれる。
- プレゼントをもらったとき。
- 一緒の時間を過ごしているとき。
…などなど、いろんな愛の形があるかと思います。
その他にも、実にたくさんの形がありますよね。
もちろん、正しい答えなどありませんし、百人いれば百通りの愛を感じるときがあるのでしょう。
そのリストを眺めていると、実にいろんなことがわかります。
一つは、そのリストは自分自身が、与えられてきた愛の形です。
これまで生きてきたなかで、リストにあるような愛を、与えられてきた時間が、あったのではないでしょうか。
そのリストは、私たちが今日まで愛されてきた証でもあります。
そして、もう一つ。
そのリストは、自分が愛を与えようと思ったときに、相手にしてあげようとする形にもなります。
リストの一番目に出てきた形は、あなたが無意識的なレベルで、相手に与えようとする愛の形でもあるのでしょう。
あなたのリストは、どんな項目が並んでいるでしょうか。
そのリストは、不満の種にもなりうる
さて、光があれば影があるように、「愛の形のリスト」にも、気をつけなくてはいけない裏側の面があります。
それは、「そのリストの形だけを求める」という心理がはたらきやすい、ということです。
もっと言うと、「そのリストに載ってなければ、愛じゃない!」と思い込んでしまうこともある、ということです。
たとえば、風邪を引いて熱を出して寝込んでしまったとします。
その人の「愛のリスト」には、「自分の体調が悪いときは、世話をしてくれる」と書かれていたとします。
すると、こんなに体調が悪いんだから、風邪薬やポカリスエット、冷えピタを買ってきて、おかゆを炊いてほしいな、と感じるものです。
「大事なパートナーなら、そうするのが当たり前じゃない?」とまで考えるかもしれません。
しかし、そのパートナーの「愛のリスト」には、「体調が悪いときには、そっとしておいてくれる」というリストが書かれていたとしたら。
「体調悪そうだね。ゆっくり休んでね」
とLINEだけ送って、あとはなしのつぶてにするかもしれません。
自分だったら、そっとしておいてもらうのが、愛されていると感じるのですから。
すると、「は?こんなにひどい体調なのに、見舞いにも来ないなんて…大切に想われていなんだな…」と感じてしまうわけです。
はい、なかなかの悲劇ですよね。
どちらが悪いわけでも、そこに愛がないわけでもありません。
むしろ、お互いがお互いを愛している。
けれども、お互いの「愛のリスト」に書かれている形が違うゆえに、その愛がすれ違い、空振り、葛藤になってしまう。
「愛のリスト」は、自分が愛されているかのチェックリストになり、不満の種になってしまうことがあるわけです。
お互いが傷つけようと思っているわけでもないのに、かくも「愛」とは、難しいものです。
3.愛するとは、何だろう
私たちが持っている、「愛のリスト」。
その外にある形を受けとれるようになると、少し違った風景が見えてくるのかもしれません。
人が人を愛する形は、無限の形があります。
それをどこまで受けとれるかで、人生の豊かさがまったく違ってきます。
「愛のリスト」に書かれていることは、自分をつくってきた愛の軌跡です。
そして、そこに書かれていないことは、これから自分が受け取れる愛のかたちであり、その大きさ。
そんなことが、言えるのかもしれません。
愛とは、何も執着せずに与えること
今日の引用文のタイトルも、一つの愛の形です。
もしよければ、もう一度、先ほどつくっていただいた「愛のリスト」を眺めてみてください。
何か、感じることはありますでしょうか。
先ほどと、違った感じはありますでしょうか。
それとも、変わらず同じでしょうか。
何が正しいも、間違っているもありません。
ただ、そこで浮かんでくることを、そのままに感じてみてください。
さて、最後にもう一度、お伺いします。
あなたにとって、愛するとは、なんでしょうか。
愛するとは、どんなことでしょうか。
今日は「愛」という無限のテーマで、少しお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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