大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

立冬、凛として。

急に寒くなりましたね。

私の住んでいる名古屋でも、朝晩急に冷える日が続いて、今週は最低気温が4度や5度の日がありました。

今年は、猛暑というか酷暑から、秋に入っても真夏日が続いたりしておりましたが、それでも寒さが訪れようで、なんだかほっとしております笑

暦の上では「立冬」。

冬立てる日を過ぎて、いよいよ冬支度の季節です。

冷たい木枯らしが吹き、紅葉した葉も徐々に散り、早いところでは初雪の報せが届くころです。

そういえば、ようやく富士山にも今年はじめての冠雪が観測されたようで。

なんでも、観測史上最も遅い時期での観測だそうです。

そりゃあ、あれだけ夏秋が暑かったら、雪が降るのも遅くなるよな…とは思いますが、やはり気候が変わってきているのでしょうか。

 

七十二侯では、「山茶始開(つばきはじめてひらく)」。

ややこしいですが、椿(ツバキ)ではなく、山茶花(サザンカ)が咲き始めるころです。

色彩が乏しくなる冬の景色のなか、山茶花の紅い花は、一層あざやかに見えますよね。

冬の風物詩の一つでもあります。

植物が枯れゆき、生きものたちが巣ごもりをして、生命の終わりや死を感じさせるのが、冬の季節でもあります。

ただ、死と再生、痛みと癒しはすぐ近くにあるように。

冬の季節は、次の春のよろこびを待つ季節でもあります。

ある意味で、それは最も生命の力を感じさせる季節でもあるのかもしれません。

不思議なものですよね。

 

陽が出ている時間も、ずいぶんと短くなりました。

これから冬至まで、まだまだ短くなっていきますが、そうした時期こそ、一番冬らしいというか、そんな時期なのかもしれません。

少しずつ、陽が短くなっていく。

気温もまた、下がっていく。

あぁ、これが冬なんだな、と。

冬を強く感じる時期。

もちろん、これからもっと陽は短くなるし、気温も下がるんですけれどね。

その最中が、やはり一番、冬を感じる。

ものごとも、同じなのかもしれません。

実際に「大変だ」と思うときには、もうそれは春が来ることを知っているから。

それは、ほんとの意味での大変なときを、もう過ぎているのかもしれません。

 

さて、気温が下がってくると、ちょっと凛とした感じになりますよね。

背筋を伸ばして、もうひと踏ん張り。

今年もあと2か月を切ったようです。

立冬の時期。

山茶花の赤を眺めながら。

どうぞ、ご自愛くださいませ。