大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

四季五感

願わくは、花の下にて。

いつの間にか、春も本番のようで。 外に出ると、さまざまな色の桜が咲いているのを見かける。 時に、春分が次侯、桜始開さくらはじめてひらく。

空、春色。

あいまいなままでいる。そのままでいる。春色の空。見上げながら、癒しについてそんなことを想う。

桜花の下で。

受け取ろうが、受け取るまいが。 ただ、そこに在った。

はんぶんこ。

春分の日、彼岸の中日。影が深ければ、光もまた眩しい。

蝶よ、花よ。いつしか、その姿を変えて。

時に、啓蟄。 あるいは、菜虫化蝶、なむしちょうとなる。

花は誇らず、ただ咲く。

誰かが信じていても、誰も信じていなくても。皆が待つにぎやかな桜並木でも、誰も通らない深山の淵でも。花は、咲くのだ。だからこそ、こころ惹かれる。

桃始笑。

風と、光と。訪れた、春とともに。桃始笑、ももはじめてわらう。

啓蟄、咲き誇るまで。

ときに心配しながらも、季節の流れを見つめ、身をゆだねること。それを、ときに信頼と呼ぶのだろう。

春霞、たなびきはじめて。

毒が、痛みが、苦みが、あることを認めること。それは、この世界に自分が存在することを、認めることと、どこか似ている。

梅の香、東風とともに。

この青い空が、もう少しぼんやりして霞がかるころ。また、薄いピンク色をした無数の花弁が、空を埋め尽くすのだろう。そんなことを、想像しながら。まだ風の冷たい、川沿いを歩く。

気雪散じて、水と為る。

気雪散じて、水と為る。いつか、また水に還るように。時に雨水、春に向かう道すがら。

黄色、早春の色。

変化を愛でるのは、生きていることの喜びともいえる。春は、もうすぐそこまで。

うすべに色の、春。

いつか見た色のような、それでいて、ここにしかいないような。うすべに色の、ちいさな、春。

春は、苦みと濁りと。

立春過ぎて。日に日に、春の気配が感じられるようになってきた。不可逆な季節の流れは、いろんなことを教えてくれる。

立春。はるかぜ、こおりをとく。

今日は、春立てる日。立春である。春隣、はるとなり」。厳しい冬の寒さの中に、どこか春の気配を感じる、そんな言葉を思い出す。

福はうち、鬼も、うち。

今日は節分、冬と春の境目。家の外から家の内へ。敷居を跨ぐときの、その敷居。そんな存在が、節分なのかもしれない。

雪に耐えて。

空は青く、白い雪は一層映える。時に大寒なれど、吹く風の中には、かすかに暖かな気配を含んでいた。三寒四温。寒くなり、時に雪も降りながらも、暖かな春もまた、やってくる。

西のお山と、冬の朝の氷と。

「お山に雲がかかってるから、明日は雨かもね」遠く西の彼方に見える山脈を見ながら、よく祖母はそんなことを言っていた。

寒さは、どこか美しさと繋がっている。

寒さは、どこか美しさとつながっている気がする。それは、春の暖かさや、夏の輝き、秋のはかなさには、ないものだ。冬の寒さのみが持つ、美しさが、確かに在る。

いいお湿りですね。

いい、お湿りですね。ふと、そんな声をかけられたような気がした。ええ、とても。いいお湿りで。そう、返してみた。

大寒なれど、走らずにいられない。

身を切る寒風、白く流れる吐息、凍える指先。最も寒い季節のそんな感覚が、好きなのかもしれない。

流れていく風景を、眺めるように。

時に小寒。もうすぐ大寒を迎える、一年で最も寒いころ。そんな中でも、春に向けて季節はめぐるようで。

陽の光ばかり、撮っている。

今日もまた、綺麗に晴れてくれた。その陽の光と、青色を眺めつつ、空を見上げては、写真を撮る。

大いなるマンネリ。

マンネリと聞くと蔑むニュアンスがあるが、「大いなる」という形容詞がつくことで、それは称賛に変わる。時は、重ねるごとに味わい深くなる。

小寒、春を待つ。

春がよろこびなのであれば、それを待つ小寒もまた、よろこびの一部だ。この季節特有の、やわらかな陽の光を眺めていると、そう感じる。

雪下出麦、寒さ厳しければこそ。

寒いのは苦手なのだが、さりとて、朝の玄関のドアを開けた瞬間の「きゅっ」と身が引き締まる凛とした感じは、冬ならではのものだ。季節がめぐるというのは、いろんな感情を私たちに味わうことを与えてくれる。

おはよう、2021年。

新年あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

暮れゆく2020年。

今年もありがとうございました。どうぞ、よいお年をお迎えください。

誰の上にも訪れる、やさしい日。

クリスマス・イヴである。時間がどんな人間にも平等であるのと同じように、クリスマスは誰にでも訪れる。それは、どこか救いのように思える。

冬至、陰極まりて。

寒さも厳しさを増してきたが、暦の上では「ふゆ、いたる」。冬至である。一年の中で最も昼の時間が短く、夜が長い時候。